小池一夫「鱧のおすまし」炎上ツイートの謝罪を絶賛するおめでたいひとたち
前半では「若者は食費にお金かけろ」と言ってるのに、後半では「節約しろ」と言っていて文法がおかしいというツッコミが多く見られましたが「食費=高級料理」と考えるとつじつまが合います。
食費にお金を若者はかけられないというが、それは、言い訳。今日のお昼ご飯、鱧のおすましだったけど、家人に聞いたら、実質何百円だって。骨切りした鱧も旬だから安いし、他の材料も残りものだしって。やれば出来る。やらないだけ。(小池一夫) pic.twitter.com/0tyD1LWoIv
— 小池一夫 (@koikekazuo) 2017年8月12日
つまり、この先生は「お金がないから高級料理が食べられないなんてのは言い訳」と仰りたかったのであり「高級料理でも工夫すれば数百円で食べられるよ」と続くわけです。誤解しやすい表現だったのは確かですが、文法的には間違ってません。したがって「吸い物に数百円も高い」なんてツッコミも少しズレてることになります。なぜならこの先生は相対的に安くなるという「落差の話」をしているからです。
ただ、そうなってくると皆さん気づくはず。あれ、だったらこの話って若者、関係なくね?と。 そう、この話に若者はまったく関係ありません。お金がなくて高級料理が食べられないのは若者に限った話じゃないからです。したがって、この先生は炎上後、謝罪ツイートで「今の若者の現状が頭では分かっていても、肌の感覚では分かっていなかった」と述べていますが、見事にズレまくっていますよね。そもそも関係ないのだから、分かってるとか分かってないとかいう話じゃないんです。
本当に反省すべきは、若者にはまったく関係ない話を「若者への叱咤激励」風のネタにしちゃって、案の定、ズルズルに滑っちゃったことなのであり、先生の“若者理解レベル”がいくつだろうが知ったこっちゃねえのですよ。それなのに、「素直に謝罪した」「逆に好感が持てる」とか言って、見直されちゃってる始末。おめでたい。実におめでたい世界です。
昨日のツイート、反省してます。若者と接することは多くても、若者と暮らしていないので、今の若者の現状が頭では分かっていても、肌の感覚では分かっていなかったんだなあとリプを読んで思いました。自分も同じような若者だったはずなのにね。年長者として、もっと、広く深い目でツイートすべきでした? 小池一夫 (@koikekazuo) 2017年8月13日
しかも「肌の感覚で分かってなかった」って極端なこと言い出すのは「そこまでしてくれなくても……」という相手の譲歩を引き出す典型的な謝罪テクニックなんだよなあ。自覚してるのかどうか知らんけど。だってよく考えてみて下さい。そもそも、炎上してるのにも関わらず「頭では分かってる」と思い込んでる時点でやべえっすよ。そして周りの誰もそこに気づかないのだから凄い。鏡餅を飾って祝いたいレベルでおめでたい世界です。
もう、おわかりだと思いますが先生はこのツイートにおいても、あいかわらず「落差の話」しかしてないのですよ。
つまり、そもそも「頭で分かっているなら炎上しなかった案件」を、「肌の感覚で分かっていなかったから炎上した案件」と極端な話にすり替え、存在しなかったはずの落差を捏造することによって「頭では分かっていた」状態をいかにも至らない状態であるかのように読み手を錯覚させ、本来なら虚偽であるはずの「頭では分かっていた」という主張をさりげなく認めさせると共に、謙虚に謝っているように見せかけるという詭弁テクニックを、おそらく無意識でやってのけてるわけ。これ、流石としか言いようがありません。
そんな先生を含め、「潔い老人だ」と絶賛してる連中を含め、すべての人間が、誰もこの構図に気づいてないという、実におめでたい世界だ。赤飯を炊いて祝いたいくらいです。 いやあ、本当におめでとう!