おめでとうございます。

古今東西おめでたい出来事をかたっぱしからお祝いします

オリンピックを「風俗」と勘違いしてるおめでたいひとたち

 オリンピック選手がインタビューでよく口にしますよね。国民の皆さんを感動させたい。喜んでもらいたいって。何をおめでたいこと言ってるんでしょうか……

 プロスポーツの世界でこのようなコメントが飛び出すのは百歩譲ってスルーしますが、オリンピックって実態はともかく「アマチュアリズム」の祭典ですよね。素人系スポーツという偉大なジャンルの頂点なのだから、プロみたいな不自然なリアクションや、つまらないサービス精神なんて要らねえのですよ。したがって、選手が国民に媚を売るような寒いコメントをする必要もないわけです。プロスポーツの劣化版など誰が見たいのか。オリンピック憲章の根本原則が「生き方の哲学」を謳ってるように、我々が見たいのは、選手たちがただひたすら、頑なまでに(我々ではなく)競技へ向き合ってる生き様なのですから。

 

 したがって、選手が求めるのは感動じゃなくて「結果のみ」でいいのですよ。そこには「オリンピック費用に税金が使われてるから結果で答える」というわかりやすい構図があるわけじゃないですか。みんな(強制的ではありますが)お金を出している以上、何かしら見返りがほしいわけですよね。だってニュース番組が伝えるのは主に選手の順位なんだし、極端な場合、1位2位3位がどこかのわけの分からん外国人選手だったら日本選手の順位しか報道しないですよね。そして順位がダメだったときの保険として、一生懸命さとか、ひたむきさを称えることで「プラマイ0」みたいな、落としどころで今までやって来たわけじゃないですか……
 いや、それって結局「感動」でしょって言われたらそうなんですけど、それをわざわざ口にするのは無粋だよねって話。それなのに、近年のマスコミは狂ったように感動を煽ってきて辟易します。クソみたいなJ-POP垂れ流して、どんだけおめでたい連中なんだよ。毎月、年賀状送りつけてやろうか。

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 もっとおめでたいのはそんなマスコミに洗脳されちゃってる連中ですよね。選手の場合は仕方ない側面もあります。そりゃあ、青春のすべてをその競技に捧げて来たわけですから、マスコミがまき散らす感動菌に耐性がないのは仕方ありません。しかしながら私の女友達ですよ。「ハンカチ片手にマラソン見る」って子がいるんですが、彼女は「今日は泣くぞ」ってマラソンを見るそうですよ。いや、別にいいよ。マラソンを見る目的なんて人それぞれいい。問題なのは、そんなことを他人に言う神経なんです。

 

 私に言わせれば感動目的でスポーツ見るなんてセフレと同じなんですよ。

 

 彼女の台詞を「コンドーム片手に男と会う」「今日はやるぞ」へ置き換えたらわかりやすいですよね。そんな明け透けな女の子、イヤじゃないすか。素敵な夜を!なんて送り出してる場合じゃないですよ。実際は「そんなことひとに言わない方がいい」って優しく教えてあげたんですけどね。絵に描いたようにキョトンとしてましたよ。
 私はそういう割り切った関係を否定してるんじゃなくて、それぞれの楽しみ方があるでしょって言いたいわけです。プロスポーツが風俗ならオリンピックは恋愛なんですよ。それぞれの良さを尊重しようじゃないですか。それなのに、そこをごちゃごちゃにしてるおめでたいやつらの多いこと、多いこと。東京オリンピックが中止になるくらいおめでたいです。いやあ、本当におめでとう!